前半で14人になったサンウルブズ、48-27でレッズに敗れるも終盤2トライで意地を見せる!

スーパーラグビー2018 - 前半で14人になったサンウルブズ、48-27でレッズに敗れるも終盤2トライで意地を見せる!
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第13節からホームゲームに限れば3連勝、チーム史上最高の3勝(12敗)、勝ち点14という成績で最終節を迎えたヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ。オーストラリアカンファレンス)。

7月13日(金)、サンウルブズの最終節の相手は第13節に63-28で今シーズン初勝利を挙げたレッズ(同カンファレンス)だった。アウェイのブリスベン、サンコープ・スタジアムでの再戦となった。

前節ワラターズに敗れたサンウルブズだが、前回のレッズ戦を筆頭にシーズン中盤からチームの状態が上向いているだけに、有終の美への期待が高まった。実際、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)に代わってサンウルブズの指揮を執るトニー・ブラウンHC代行は、メンバー発表の際にこのように語っていた。

「今季これが最後の試合です。私たちは約半年間に渡って一緒に過ごしてきました。チームは強く結束しているので、試合では互いに大きな努力を引き出し合うようにしていきたい。先週よりも強いパフォーマンスを出し、いいかたちでシーズンを終えられるようにしたい」

必勝を期した最終節のメンバーは、共同キャプテンのNO8ヴィリー・ブリッツ(ゲームキャプテン)、SH流大が揃って先発入り。HO庭井祐輔、PR浅原拓真、FLリーチ・マイケル、WTB山田章仁、CTB立川理道といった日本代表メンバーも先発し、追加招集されたWTB藤田慶和も早速先発WTBとして出場、念願のスーパーラグビー初キャップとなった。

一方のレッズは、NECでプレーしたNO8スコット・ヒギンボサムがゲームキャプテンを務めたほか、PRタニエラ・トゥポウ、LOアイザック・ロッダ、WTBエト・ナンブリといったオーストラリア代表経験者が先発。なお、先発PRのJP・スミスの双子の兄弟で、トヨタ自動車でプレーしたPRルアーン・スミスもリザーブに名を連ねた。

サンウルブズのキックオフで始まった前半、先手はレッズに取られてしまう。前半5分、スクラムを起点としたアタックでFLリアム・ライトにトライを決められ7-0。追う立場となったサンウルブズは前半14分、16分とSOヘイデン・パーカーがPGを決めて7-6と1点差に詰め寄る。

23分にはレッズWTBナンブリにトライされ14-6とされるが、28分、サンウルブズはゴール前まで攻め入り、CTBマイケル・リトルのパスをはたいたレッズCTBダンカン・パイアアウアがインテンショナルノックオンでシンビン(10分間の一時的退出)。このプレーがなければトライとなっていたと認められ、ペナルティトライでサンウルブズが7点を追加、14-13と再び1点差に迫る。

だが、数的有利だったサンウルブズだが、レッズFBジョノ・ランスに前半30分にはPG、32分には突破を許しトライを決められ22-13とされる。さらに37分にはサンウルブズFLエドワード・カークが危険なプレーでレッドカード(退場処分)となる。前節に続いて14人での戦いを強いられたサンウルブズは、前半ラストの40分にもレッズPRトゥポウにトライを許してしまい、29-13とさらにリードを広げられ前半を折り返す。

後半、開始早々の5分にFLケイリブ・ティムがシンビンとなり一時的に14人対14人となるが、サンウルブズもミスが相次ぎ攻めきれない。そこで11分にはLO姫野和樹、NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、CTB中村亮土を一気に投入したものの、逆にレッズWTBナンブリにトライされてしまいスコアは36-13となる。

さらに後半16分、PR稲垣啓太、PRヘンカス・ファン・ヴィック、SH田中史朗を投入したものの、再び15人対14人に戻っていたこともあり、直後の17分にはCTBパイアアウアに、24分にはSHモーゼス・ソロヴィに立て続けにトライを許し、48-13とされる。

このままでは終われないサンウルブズは後半最終盤に意地を見せる。32分、CTBリトルのビッグゲインとNO8ウォーレンボスアヤコのランによって敵陣5メートルライン付近まで大きく前進し、タッチに出たボールをCTBリトルがクイックスローイン。そのボールを手にしたCTB中村がインゴールに飛び込んでトライを決めて48-20。

さらに35分、敵陣で攻めていたサンウルブズは3フェーズ目のアタックでLOヴィンピー・ファンデルヴァルトからパスを受けたHOジャバ・ブレグバゼが一気にブレイクしトライを挙げて48-27と点差を詰める。

ここからさらなる追加点を奪うことはできず、サンウルブズは48-27でノーサイドを迎えた。だが互いに疲労がたまっていたであろうラスト8分、サンウルブズは数的不利を感じさせないアタックで2トライを奪い取り意地を見せた。

試合後、レッズのゲームキャプテンNO8ヒギンボサムは複雑そうな心境で試合を振り返った。

「勝ったのは嬉しいが、最終的にプレーオフのワイルドカードに入れなくて残念だ。後半は相手の(前半最後の)レッドカードでラッキーな部分もあった。今季は若いチームで中盤、調子が落ちた時期もあったが、選手、スタッフも素晴らしかった」

一方、サンウルブズのゲームキャプテン、NO8ブリッツは残念そうに試合を振り返った。

「ちょっとストレスのたまるゲームだった。特にレッドカードが出た後は。だけどサンウルブズの選手はいつでもエキサイティングなゲームをしようと、最後まで前を向いてボールをキープしようとした。レッドカードはちょっと疑問だけれども、それもラグビーだ。今季は過去最高の3勝を挙げることができてチームも成長した」

NO8ブリッツが語ったように、3勝13敗、勝ち点14でシーズンを終え、1年目(2016年)の1勝(1分け13敗・勝ち点9)、2年目の2勝(13敗・勝ち点12)という過去の成績を上回った3年目のサンウルブズ。数字の上では1勝ずつ上積みした形となっているが、今シーズンはこの数字以上の成長を見せてくれたと言えよう。

ワールドカップイヤーとなる2019年のスーパーラグビーはBYE(休みの週)以外の中断のない、よりハードなシーズンとなる。今シーズンの成長を自信に、また浮き出てきた様々な課題を糧に、さらなる進化を見せてくれることを期待したい。それがラグビーワールドカップでの日本代表の飛躍にもきっとつながるはずだ。

◇CTB中村&HOブレグバゼ初トライ! 劣勢の後半終盤に意地を見せる

WTB藤田慶和がサンウルブズ、そしてスーパーラグビーでの初キャップをマークしたこの試合だが、他にも「初」となる記録が誕生していた。CTB中村亮土とHOジャバ・ブレグバゼのスーパーラグビー初トライだ。

48-13という大差で勝敗が決まりつつあった後半32分、敵陣ゴール前でのCTBリトルのクイックスローインがやや乱れたが、いち早く反応していたのが、そのリトルとCTBでコンビを組んでいた途中出場の中村だった。レッズのディフェンス陣が対応できなかったこのトライが、CTB中村にとってうれしいスーパーラグビー初トライとなった。

HOブレグバゼのトライはその直後の35分に生まれた。疲れからかディフェンスを整備できなくなっていたレッズの防御網のギャップを突き、フロントローとしては珍しい独走トライ。LOファンデルヴァルトのラストパス、そしてHOブレグバゼの走り込んだ角度も見事だった。

レッドカードによって試合が壊れかけた中で生まれたこの2トライの意味は大きい。FLリーチ マイケルが終盤見せたパワフルなランとヒットも含め、来シーズンのサンウルブズにつながる、まさに「意地」のプレーだったと言えるのではないだろうか。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

試合情報

  • 2018.2.24(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 25 - 32 ブランビーズ
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  • 2018.3.3(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 17 - 37 レベルズ
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  • 2018.3.10(土)
    スーパーラグビー2018
    シャークス 50 - 22 サンウルブズ
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  • 2018.3.18(日)
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    ライオンズ 40 - 38 サンウルブズ
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  • 2018.3.24(土)
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    サンウルブズ 10 - 61 チーフス
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  • 2018.4.7(土)
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    サンウルブズ 29 - 50 ワラターズ
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  • 2018.4.14(土)
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    サンウルブズ 10 - 24 ブルーズ
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  • 2018.4.21(土)
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    クルセイダーズ 33 - 11 サンウルブズ
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  • 2018.4.27(金)
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    ハリケーンズ 43 - 15 サンウルブズ
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  • 2018.5.12(土)
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    サンウルブズ 63 - 28 レッズ
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  • 2018.5.19(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 26 - 23 ストーマーズ
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  • 2018.5.25(金)
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    レベルズ 40 - 13 サンウルブズ
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  • 2018.6.3(日)
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    ブランビーズ 41 - 31 サンウルブズ
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  • 2018.6.30(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 42 - 37 ブルズ
    NO SIDE
  • 2018.7.7(土)
    スーパーラグビー2018
    ワラターズ 77 - 25 サンウルブズ
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  • 2018.7.13(金)
    スーパーラグビー2018
    レッズ 48 - 27 サンウルブズ
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