サンウルブズ、ブルーズから8トライを奪い48-21で快勝!NZ勢から初白星でシーズンを締めくくる

スーパーラグビー2017 - サンウルブズ、ブルーズから8トライを奪い48-21で快勝!NZ勢から初白星でシーズンを締めくくる

計8トライを決める快挙を成し遂げたサンウルブズのフィフティーン。(撮影/齋藤龍太郎)

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7月15日(土)正午過ぎ、猛暑の秩父宮ラグビー場でキックオフとなったスーパーラグビー第17節、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ。アフリカ1カンファレンス)とブルーズ(ニュージーランドカンファレンス)の一戦は、すでにプレーオフ進出を逃している両チームにとって今季の最終戦となった。

前節第16節までの成績は1勝13敗、勝ち点7でカンファレンス、そして全体ともに最下位に沈んでいるサンウルブズ。昨季の1勝1分け12敗という成績を上回るためにも、また全体最下位から脱するためにも、このブルーズ戦は落とせない状況だった。

メンバーはゲームキャプテンのNO8ヴィリー・ブリッツをはじめ、23人の中では最年少のPR具智元、LOとして定着した谷田部洸太郎とヘル ウヴェのコンビ、ストーマーズ戦で前節のベスト15に選出されたFL松橋周平、SH内田啓介とSO田村優のハーフ団らが先発。決定力のあるWTB福岡堅樹、ディフェンス面で欠かせない存在のCTBウィリアム・トゥポウらも復帰した。

ゲームキャプテンのNO8ブリッツは、メンバー発表の際にこの一戦に懸ける意気込みを「前の試合に出た選手で、新たなチャンスを得る選手もいます。また新しいメンバーも入ってきます。これにより、試合にもっとエキサイティングな要素が加わってくる。今シーズン最後の試合なので、ファンの皆さまにサポートして下さった感謝の想いを、プレーを通して伝えたい」と語った。

対するブルーズは、7勝1分け6敗(勝ち点37)の今季を含め近年は低迷しているものの、世界で最もレベルの高いニュージーランドの名門であることに変わりはない。スーパー12(現スーパーラグビー)に1996年の初シーズンから参戦し、3度優勝に輝いている。現在もニュージーランド代表選手を数多く輩出しており、この試合でもゲームキャプテンに就いたHOジェームズ・パーソンズら代表キャップホルダーをメンバーに数多く並べてきた。なお、本来キャプテンでニュージーランド代表81キャップを誇る、元トヨタ自動車のFLジェローム・カイノはリザーブから出場機会をうかがう。

試合は序盤からブルーズのペースで試合が進んだ。前半9分にはHOパーソンズが、13分にはLOジェラード・トゥイオティマリナーが立て続けにトライを決めて0-14とブルーズがリードし、このままブルーズのペースで試合が進むかに思われた。

しかし前半17分、サンウルブズは敵陣でブルーズの反則からSH内田がクイックリスタートを仕掛け、最後は内田のパスを受けたCTBティモシー・ラファエレがポール下にチーム初トライ。7-14と点差を詰めた。

ブルーズも前半26分、サンウルブズSO田村のパスをインターセプトしたFBマイケル・コリンズが独走トライし7-21とリードを広げる。しかしサンウルブズも負けじと前半終了間際の39分、WTB松島幸太朗ゲインからチャンスを掴み、最後はSH内田がトライ。14-21とサンウルブズが7点差に迫ったところで前半終了となった。

ホームで先に得点を挙げたいサンウルブズは後半も、序盤から攻勢に出るもののミスやペナルティーで得点機を逸するという展開が続く。

膠着状態が続くなか口火を切ったのは、たびたび好機を作り出していたサンウルブズだった。後半14分、ターンオーバーからCTBウィリアム・トゥポウがインゴールに迫り、ブルーズの選手ともつれてこぼれたボールを途中出場のCTB山中亮平がグラウンディングし、TMOの末にトライが認められた。スコアは19-21となる。

サンウルブズがわずか2点差に迫ったところで、後半17分にブルーズFLカイノがハイタックルでシンビン(10分間の一時的退出)となり、ここからさらにサンウルブズが畳み掛ける。19分、サンウルブズはそのペナルティーからタッチキックでラインアウトモールを組み、ブルーズがたまらずモールを崩すとこれがペナルティートライとなり、ついに26-21と逆転に成功する。

続く後半24分にも、敵陣ゴール前まで迫ったサンウルブズは途中出場のSH茂野海人がラックサイドを突いてトライ、31-21とリードを広げる。29分には再びSH茂野がボールを前方に蹴り出し、自ら拾い上げてゲイン。追走していたCTBラファエレが茂野からパスを受けてトライを決め、36-21とさらに突き放した。

そして試合終了間際の36分、ブルーズ陣ゴール前からのキックをチャージしたCTBラファエレが自らグラウンディングし、ハットトリックとなる3トライ目を決めて43-21。

最後は39分、SO小倉順平のキックパスをワンバウンドでキャッチしたFL徳永祥尭がダメ押しとなるトライを決めて48-21としたところでノーサイド。ペナルティートライを含め計8トライを積み重ねたサンウルブズが48-21でブルーズに圧勝した。

試合後、ブルーズのタナ・ウマンガHCはこのようにコメントした。

「サンウルブズの素晴らしいプレーを讃えたい。勝ちに値する試合だった。コーチ、スタッフが来シーズンを見据えて努力したことの表れだろう」

ブルーズのゲームキャプテン、HOパーソンズは落胆の色を隠さなかった。「がっかり。サンウルブズが良かった。ラグビーの醍醐味であるぶつかり合いの部分がサンウルブズは明らかに良かった。(暑さについては)影響はあるが2週間滞在していたので、なおさら言い訳はできない。ブルーズのジャージーを着た時点でそう言うことは許されない。試合に向けた準備や姿勢が大きな要素であることを、あらためて身をもって知った。私たちはそれが十分でなかった」

圧勝でシーズンを終えたサンウルブズのフィロ・ティアティアHCは、

「毎回選手に自信を持って送り出している。それは15試合変わらない。南アフリカツアーから帰ってきてチームとしてたくさんの学びがあった。ゲームプランもクリアに落とし込み変化を与えた。それが影響を与えたのだと思う」

と勝因を分析し、また今後について問われると、

「今日のパフォーマンスも振り返らなければならないし、ネガティブなことも振り返らなければならないが、まずは今日の勝利を分かち合いたい。親友であるブルーズのHC(タナ・ウマンガ)とも分かち合いたいし、世界一の(サンウルブズの)ファンとも分かち合いたい」

と、この日の喜びとファンへの感謝を口にした。

ゲームキャプテンのNO8ブリッツは、

「このシーズン、素晴らしいサポートありがとうございます。今週はサンウルのプライドを取り戻そうと一人一人が戦った。誇りに思う。ディフェンスにフォーカスした1週間だった。ブルーズのアタックがとてもよかったが、選手がタフにやってくれた。ファンに心の底から感謝します。来年はもっと多くのファンに来てもらえるようにしたい。最後にこの勝利を父に捧げたい」

と、応援するファンと亡き父に勝利を報告した。

サンウルブズは初のシーズン2勝目を挙げて(2勝13敗)、昨季の成績を上回って有終の美を飾ると同時に、ニュージーランド勢から歴史的初勝利をもぎ取った。また、勝ち点4に加え相手よりも3トライ差以上で得られるボーナスポイント1も獲得し、総勝ち点を12として全体最下位から脱した(最下位は勝ち点9のレベルズ)。

課題が山積していた2シーズン目だったが、シーズン最後の圧勝が来季に好影響をもたらすことは間違いない。ティアティアHCも会見で述べたようにネガティブな部分も含め、来季のスーパーラグビーに活きるよう、また日本代表にもフィードバックできるようなレビューを期待したい。

◇ティアティアHCも絶賛! PR具智元が大ブレイク

スーパーラグビー6試合目の出場にして初先発を勝ち取ったPR具智元の活躍に、ティアティアHCは最上級の賛辞を送った。

「ふくらはぎの怪我から復帰した彼が最初からプレーした時間を誇りに思う。素晴らしいタレントの持ち主だ」

右PRとしてスクラムの安定に貢献しただけでなく、ボールキャリアとしても要所でつなぎ役に徹するなど、勝利の陰の功労者となった。そんな具は自身のプレーについて、

「(初先発は)緊張していたけど、スクラムと(エリアの)真ん中で仕事ができたので嬉しい。PRなのでスクラムと真ん中のハードワークはできた部分もあった。ニュージーランドと南アフリカのスクラムは似ていた。サンウルブズがまとまって組もうとしていたので、大丈夫でした。スクラムで負ける気がしなかった」

と述懐した。

こうした若い世代の活躍は来季以降にも間違いなく好影響を与えていくことだろう。2018年、サンウルブズが若手も含めいかにさらなる成長を遂げて、再び、スーパーラグビーの舞台で躍動するか、今から楽しみでならない。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

試合情報

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    スーパーラグビー2017
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  • 2017.3.12(日)
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  • 2017.3.18(土)
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  • 2017.3.25(土)
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  • 2017.7.15(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 48 - 21 ブルーズ
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