サンウルブズ、南ア最強のライオンズから1トライ奪うも94-7で記録的大敗を喫す

スーパーラグビー2017 - サンウルブズ、南ア最強のライオンズから1トライ奪うも94-7で記録的大敗を喫す
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テストマッチが世界各地で行われた6月はシーズンが中断されていたスーパーラグビーも、7月に入り再開。アフリカ1カンファレンス所属のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)は、7月1日(土)深夜のライオンズ(アフリカ2カンファレンス)との一戦が中断明け最初の試合となった。

ライオンズは昨季、サンウルブズが記念すべき公式戦初試合で対戦した相手。シーズンの最後まで好調を維持し、初めて進出した決勝でハリケーンズに敗れはしたものの、準優勝という結果を残した強豪だ。今回はその本拠地、南アフリカ・ヨハネスブルクのエミレーツエアライン・パークでの対戦となった。

サンウルブズは5月の第14節を終えた時点で1勝11敗、勝ち点7で、カンファレンスでも全体でも最下位。このライオンズ戦を含め残り3試合、少しでも勝ち点を重ねて“定位置”からの脱却を図りたいところだ。

そんな状況でライオンズから金星を奪うべく、サンウルブズはLO谷田部洸太郎、FL徳永祥尭、SO小倉順平、CTBデレック・カーペンター、CTB山中亮平ら6月の日本代表で活躍した選手たちを先発に並べた。さらに、この試合がスーパーラグビー100キャップ目となるLOサム・ワイクス、ゲームキャプテンでありかつてライオンズで活躍していたNO8ヴィリー・ブリッツといった経験豊富なメンバーを揃えた。なお、当初リザーブ入りしていた日本代表FB松島幸太朗は体調不良のため試合直前に外れ、代わって南アフリカ出身のFBリアン・フィルヨーンが入った。

メンバー発表に際しサンウルブズのフィロ・ティアティアHC( ヘッドコーチ)は、

「日本代表に選ばれなかった選手たちは、クボタでキャンプを行いました。キャンプに臨んだ選手たちは、今まで取り組んでこなかった事に挑戦し、今まで取り組んできた事を実行しました」

と、日本代表に選ばれなかったメンバーの強化にも手応えがあったことを強調。また、その一員だったゲームキャプテンのNO8ヴィリー・ブリッツも、

「この2週間、私たちはとてもハードなトレーニングを積んできました。日本代表に召集されていた選手たちも戻り、これでサンウルブズとしてチームをあげて全力を尽くせるようになりました」

と、同じくキャンプで積んだハードなトレーニングがチームの自信につながっていることをうかがわせた。

対するライオンズは第14節終了時点で12勝1敗、勝ち点56でカンファレンスでは群を抜いての首位、全体でも2位と好調。アタックの核は、サンウルブズSO小倉らと同じくNTTコミュニケーションズにも在籍している南アフリカ代表SOエルトン・ヤンチース。クボタ所属のゲームキャプテンFLヤコ・クリエルやWTB コートナル・スコーサンら、同じく現代表メンバーを多数揃える隙のない布陣でサンウルブズをホームに迎えた。

試合は序盤からライオンズのペースで展開する。前半6分、ライオンズSHロス・クロニエがラックからボールを持ち出し、サンウルブズのディフェンスの裏をかくランで先制トライを決める。7-0とした直後の11分にはゲームキャプテンのFLクリエルが単身突破を図りトライ。14-0とリードを広げた。

攻撃の手を緩めないライオンズは20分、27分にはリオ五輪セブンズ代表FLクワッガ・スミスが持ち味のパワフルなランで連続トライを決め28-0。39分にはSOヤンチースが鋭いランでチーム5トライ目を挙げ、35-0と大きくリードして前半終了となった。

見せ場をほとんど作れなかったサンウルブズはここから巻き返したいところだったが、後半もゲームを支配したのはライオンズだった。

後半5分、ラインアウトモールからHO アルマンド・ファンデルメルヴァにトライを許し40-0。その後も12分、14分、19分とトライを畳み掛けられ、59-0とさらに点差が広がっていた。

すでに敗色濃厚のサンウルブズではあったが、後半中盤にようやくチャンスをつかむ。23分、FB笹倉康誉に代わって入っていたフィルヨーンがクイックスローを受けてカウンターアタック。後続のFL徳永がさらにゲインし、これを起点にフェーズを重ねたサンウルブズは、ラックから途中述上のSH茂野海人が出したパスを受けたLOヘル ウヴェがポール下にグラウンディングしトライ。SO小倉のゴールも成功し59-7と、サンウルブズがようやくこの試合で初得点をマークした。

しかし流れを変えるまでには至らず、その後もライオンズのアタックは続く。26分のWTBスコーサンのトライを含め、そこからノーサイドまでの間に7つのトライを量産した。結局、持ち前のアタッキングラグビーで14トライを奪ったライオンズが94-7で完全勝利し、ボーナスポイント1を含む勝ち点5を獲得した。

サンウルブズは昨季のチーターズ戦(17-92)で記録していた最多失点、最多得失点差を更新し、セットプレーやディフェンスを含め課題ばかりが浮き彫りになった敗戦となった。

試合後、サンウルブズのゲームキャプテンのNO8ブリッツはこうコメントした。

「ライオンズとの対戦を楽しみにしていました。序盤のスクラムも良かったし、タックルも良かった。しかし簡単にターンオーバーを許してしまったのが、スコアボードの差につながったのではないでしょうか。それでもポジティブな点もたくさんあったので、もっとボールキープして、タックルをしっかりできれば次のストーマーズ戦でも勝機はあるはず。

スーパーラグビーでゲームキャプテンを務めることは誇りに思います。サンウルブスは素晴らしいチームメイト、スタッフに恵まれ、何よりサポーターがどの試合でも熱く声援を送ってくれます。みなさん、ありがとうございます。次の試合も頑張ります」

サンウルブズは引き続き南アフリカに滞在し、日本時間7月8日(土)深夜にストーマーズと敵地ケープタウンで対戦する。3月25日の今季第5節での対戦は31-44で敗れたものの、途中までリードするなど勝機の見える展開だっただけに、ここでライオンズ戦のショックを払拭するようなラグビーを見せて、何としても白星を挙げたいところだ。

◇SO/CTB松田力也がスーパーラグビーデビュー!

今回のツアーでサンウルブズに初招集され、早速ライオンズ戦でリザーブ入りしていた日本代表SO/CTB松田力也。後半16分にCTBデレック・カーペンターと交代してピッチを踏み、記念すべきスーパーラグビー初キャップを獲得した。

メンバー発表後、松田は次のように話していた。

「スーパーラグビーは物心ついた時から見ていましたし、この舞台でできるのは自分の中でも特別だと思いますし、チャンスをもらえてワクワクしています。 日本代表からサンウルブズと、一貫してやっているので迷いもなく、体も頭のコンディションもできていると思います。周りとコミュニケーションを取っていつも通りやっていきたい。そしてチャレンジし続けて、今後に活かせるようなゲームになればいいなと思います」

松田はその言葉通り、後半23分のサンウルブズ唯一のトライでも一連のフェーズに絡み、随所で果敢なアタックを見せフィジカルの強い相手に対しても食い込むような強さを見せた。

松田は、こうした国際経験を積み重ねていけば、サンウルブズや日本代表で中心選手へと成長し、先発を任される日が、そう遠くない将来訪れるはずだ。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

試合情報

  • 2017.2.25(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 17 - 83 ハリケーンズ
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  • 2017.3.4(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 23 - 37 キングズ
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  • 2017.3.12(日)
    スーパーラグビー2017
    チーターズ 38 - 31 サンウルブズ
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  • 2017.3.18(土)
    スーパーラグビー2017
    ブルズ 34 - 21 サンウルブズ
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  • 2017.3.25(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 31 - 44 ストーマーズ
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  • 2017.4.8(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 21 - 20 ブルズ
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  • 2017.4.14(金)
    スーパーラグビー2017
    クルセイダーズ 50 - 3 サンウルブズ
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  • 2017.4.22(土)
    スーパーラグビー2017
    ハイランダーズ 40 - 15 サンウルブズ
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  • 2017.4.29(土)
    スーパーラグビー2017
    チーフス 27 - 20 サンウルブズ
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  • 2017.5.7(日)
    スーパーラグビー2017
    ジャガーズ 46 - 39 サンウルブズ
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  • 2017.5.20(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 17 - 38 シャークス
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  • 2017.5.27(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 7 - 47 チーターズ
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  • 2017.7.2(日)
    スーパーラグビー2017
    ライオンズ 94 - 7 サンウルブズ
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  • 2017.7.9(日)
    スーパーラグビー2017
    ストーマーズ 52 - 15 サンウルブズ
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  • 2017.7.15(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 48 - 21 ブルーズ
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