日本代表がルーマニアに33−21で勝利!FLリーチが復帰し2019年の“前哨戦”を制す

スーパーラグビー2017 - 日本代表がルーマニアに33−21で勝利!FLリーチが復帰し2019年の“前哨戦”を制す

後半1分、大きなストライドで豪快な独走トライを見せた日本代表FLリーチ マイケル。(撮影/齋藤龍太郎)

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今春アジア・ラグビー・チャンピオンシップで全勝優勝を果たしたラグビー日本代表。6月のテストマッチ期間に入り、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズやその他のスーパーラグビー参戦メンバーも合流し、新たなメンバー編成で6月のテストマッチ3連戦に向けて再始動した。

6月10日(土)、その3連戦の初戦にあたるルーマニア戦が熊本県のえがお健康スタジアムで行われた。2019年のラグビーワールドカップの会場に決定しているスタジアムだが、今回が熊本県初のテストマッチとなり、昨年4月の大地震への復興支援も試合開催を通じて行われた。

また、ルーマニアがワールドカップの欧州予選を勝ち抜けば2019年の本大会で日本代表と同じプールAに入り対戦することになるため、その前哨戦としては互いに絶好の機会となった。

日本代表は、チーフス(ニュージーランド)で活躍中のFLリーチ マイケルが2015年のラグビーワールドカップ以来の代表復帰。キャプテンのHO堀江翔太、NO8アマナキ・レレィ・マフィ、SH田中史朗、WTB福岡堅樹・山田章仁といった実績あるメンバーとともに先発。

FBにはチーム唯一の大学生、野口竜司(東海大4年)が入ったほか、CTBデレック・カーペンターが日本代表初キャップ、HO庭井祐輔も出場すれば初キャップというメモリアルゲームとなった。

ルーマニア戦を前に、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは「テンポの早いラグビーがしたい。スクラムの機会を少なくしたい」と語り、キーマンのSH田中は「相手FWが強いので、FWでやられてしまうと日本のリズムに乗れない。鼓舞して、FWがしっかり対等に戦える環境を作ってあげたい」と戦前から意気込んでいだ。

対するルーマニア代表は、先発15人中10人が2015年のワールドカップメンバーという万全の布陣。キャプテンのNO8ミハイ・マコヴェイをはじめ、今年3月ジョージアに勝ったFWメンバーのうち7人を投入。しかもFWの5選手がイングランドやフランスでプレーしている実力者揃いで、トンガ出身のCTBパウラ・キニキニラウ、WTBフォノヴァイ・タンジマナの2人のパワフルなランナーの活躍にも注目が集まった。

日本代表は前半3分、5分と自陣で立て続けにペナルティーを犯し、いずれもルーマニアSOフロリン・ブライクにPGを決められて0—6と先制される。

しかし12分、日本代表はCTBティモシー・ラファエレの相手ディフェンスの裏に転がすグラバーキックにWTB山田が反応し、インゴールへダイビングトライ。SO小倉順平のゴール成功で7−6とし、早くも逆転に成功。

日本代表は前半19分、23分、33分にSO小倉が3本のPGを成功させて、またルーマニアも30分にSOブライクがPGを決めて16−9となった前半終盤、試合は再び大きく動く。

37分、日本代表WTB福岡がCTBカーペンターの絶妙なパスを受けて、ルーマニアのディフェンスをかいくぐってトライを決める。難しい角度のゴールもSO小倉が沈め、23−9と日本代表がリードを広げたところで前半終了を迎えた。

後半も日本代表の勢いは止まらない。後半開始早々の1分、敵陣10mライン付近からのマイボールラインアウトを起点に攻撃を継続。HO堀江からSO小倉にパスがわたり、SO小倉がFLリーチに相手の裏をかくノールックパス。ノーマークとなったリーチがそのまま豪快に独走し中央に、2015年ワールドカップの南アフリカ代表戦以来のトライを決め、代表復帰を自ら華々しく飾った。

30−9とした日本代表は12分にもSO小倉のPGでさらにリードを広げ、33−9。4PG&3コンバージョンを決めて18得点を挙げたSO小倉のこの試合のプレースキックの成功率は100%だった。

24点差となり、そのまま労せず逃げ切るかに見えた日本代表だったが、ルーマニアにここから反撃されてしまう。

後半15分、ルーマニアは相手ゴール前でのラインアウトモールを押し込み、キャプテン・NO8のマコヴェイがトライ。33−14と点差を縮めると、23分のPR伊藤平一郎へのシンビン(10分間の一時退出処分)で流れはさらにルーマニアに傾く。25分にはWTBタンジマナにディフェンスをこじ開けられてトライを許し、スコアは33−21。

その後は、粘りのディフェンスや途中交代のSO田村のキックなどで、再び日本代表が流れをつかみ、相手ゴール前に攻め込むチャンスを作るも、得点には結び付けられず、33−21のままノーサイドを迎えた。

試合後、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは、

「まずは日本代表としてここまで体を張ってくれた選手におめでとうと言いたい」

と選手を称えた一方で、

「我々のプランを遂行できているが、プレッシャーがかかったときや暑い中では遂行すべき仕事ができなかったりすることがある」

と見えた課題の指摘も忘れなかった。

この試合が日本代表50キャップ目となったキャプテンのHO堀江も、

「練習でやってきたことを信頼して、前半にそれができた。ただ、後半は少し苦しくなり、相手のスピードに付き合ってしまった」

と反省。そこに笑顔はなかった。

マストウィンのテストマッチに勝ち切った一方で課題も残した日本代表は、6月17日(土)、24日(土)と、ワールドカップと同組となった世界ランキング4位のアイルランドを迎え撃つ。今日の一戦から多くのものを得たはずの日本代表は、2019年のワールドカップで対戦する強豪に対しどのようなラグビーを見せるのか。引き続き目が離せない!

◇リーチ マイケルが日本代表復帰! 自らトライで祝福

前回のワールドカップまで日本代表のキャプテンとして大活躍したFLリーチ マイケル。コンディションなどの影響でワールドカップ以降は日本代表でプレーする姿を見ることができなかったが、このルーマニア戦で約1年8ヶ月ぶりに日本代表に復帰を果たした。リーチは試合後、

「今の段階で勝ったのは嬉しいけど、ワールドカップではまた別のチームになるから喜んでもいられない。代表ジャージを着て久しぶりのトライもよかった。 準備ができていたから、楽しかった。ワールドカップもまたこのジャージで出たい。

皆さんの声援がすごく届いている。地震があって苦しんでいる人たちがたくさんいるので、この試合で元気づけられれば。(来週対戦する)アイルランドは強いがいいイメージを作っていきたい」

と、代表復帰を喜ぶと同時に気を引き締め、またファンへの感謝と地震に見舞われた熊本への気遣いも忘れなかった。アイルランド戦はもとよりその後も日本代表に欠かせない戦力となることは間違いない。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

試合情報

  • 2017.2.25(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 17 - 83 ハリケーンズ
    NO SIDE
  • 2017.3.4(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 23 - 37 キングズ
    NO SIDE
  • 2017.3.12(日)
    スーパーラグビー2017
    チーターズ 38 - 31 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.3.18(土)
    スーパーラグビー2017
    ブルズ 34 - 21 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.3.25(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 31 - 44 ストーマーズ
    NO SIDE
  • 2017.4.8(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 21 - 20 ブルズ
    NO SIDE
  • 2017.4.14(金)
    スーパーラグビー2017
    クルセイダーズ 50 - 3 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.4.22(土)
    スーパーラグビー2017
    ハイランダーズ 40 - 15 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.4.29(土)
    スーパーラグビー2017
    チーフス 27 - 20 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.5.7(日)
    スーパーラグビー2017
    ジャガーズ 46 - 39 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2017.5.20(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 17 - 38 シャークス
    NO SIDE
  • 2017.5.27(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ 7 - 47 チーターズ
    NO SIDE
  • 2017.7.2(日)
    スーパーラグビー2017
    ライオンズ VS サンウルブズ
    • 0:15 キックオフ
  • 2017.7.9(日)
    スーパーラグビー2017
    ストーマーズ VS サンウルブズ
    • 2:30 キックオフ
  • 2017.7.15(土)
    スーパーラグビー2017
    サンウルブズ VS ブルーズ
    • 12:05 キックオフ

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