日本代表ジョセフHC、6月の3試合を総括「自信が育まれたテストマッチ」

スーパーラグビー2018 - 日本代表ジョセフHC、6月の3試合を総括「自信が育まれたテストマッチ」

6月の3試合のテストマッチを総括する日本代表ジェイミー・ジョセフHC。(撮影/斉藤健仁)

  • シェアする

 2019年ラグビーワールドカップまであと450日あまり、「ジェイミー・ジャパン」ことラグビー日本代表(世界ランキング11位)が6月のテストマッチシリーズ3戦を行い、結果はイタリア代表(同14位)との初戦に勝利したが2戦目は惜敗、最終戦のジョージア代表(同13位。対戦前は12位)に快勝して2勝1敗で終えた。

6月9日 ○日本代表対イタリア代表 34-17 (@大分銀行ドーム)

6月16日 ●日本代表対イタリア代表 22-25 (@ノエビアスタジアム神戸)

6月23日 ○日本代表対ジョージア代表 28-0 (@豊田スタジアム)

 まず、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは3勝できなかったことは悔やんだが、全体として満足できる内容だったため、「6月の健闘を見て誇らしく思います。昨季からの成長が著しく、トップリーグで戦った選手たちが、ここまでの強豪にチャレンジできるまでに成長した。コーチも選手もみんながW杯を見据えて、自分の時間を犠牲にしてコミットしてくれた。それが6月のテストマッチで少しずつ報われた。選手たちに対して、非常にハッピーな感情を抱いています」と破顔した。

 日本代表は2019年のW杯の予選プールAで、すでにアイルランド代表(世界ランキング2位)、スコットランド代表(同7位)、そしてロシア代表(同19位)という欧州勢と同じ組に入り、対戦することが決まっている。FLリーチ マイケルキャプテンが「我々がW杯で対戦する相手はいずれもセットプレーが強い。今回の3試合はW杯に向けて格好の力試しになる」と話していたように、同じ欧州勢にどこまで日本代表たちのスクラム、ラインアウトといったセットプレーが通用するか、試金石となる試合となった。

 結果的には、世界ランキング的には格下であるが「ティア1(世界強豪10チーム)」に分類されているイタリア代表との第2テストマッチで負けたものの、3戦を通してセットプレーではスクラム、ラインアウトともにマイボールの獲得率はこのシリーズ全体で9割を超えたことは大いに評価できる。11月や来年に向けても明るい兆しとなり、選手たちにとっても大きな自信となったはずだ。

 今年からジョセフHCらコーチ陣がスーパーラグビーに参戦しているサンウルブズの指揮も兼任し、1月末から強化してきたことも功を奏したと言えよう。セットプレーを引っ張るHO堀江翔太は「いっぱい練習するより、(スーパーラグビーを)1試合経験した方が選手としても成長する」と実感している。またHO堀江が「迷ったときなど、もう一度、原点に戻ることができる」と言うように長谷川慎スクラムコーチの指導によるところも大きい。

 セットプレーだけではないが、ジョセフHCが「理想としてメンバーが固定されればされるほどパフォーマンスが上がると考えている。代表チームは一貫したチームとして強化していきたい」と言うように、昨年11月のトンガ代表戦、フランス代表戦、そして、この6月のイタリア代表戦2試合まで先発メンバーは10人以上同じだったことがチーム力を発揮できた要因の一つにもなった。

 また3試合ともに3トライ以上を挙げて、ジェイミー・ジャパンはしっかりと得点力のあるところも見せたと言えよう。ジョセフHCはイタリア代表との2試合で挙げたトライは「選手たちは自信を持って遂行し、いくつかいい判断もあり、スキルも最高レベルのもの発揮して、いくつかの素晴らしいトライが見られた」と高く評価した。

 ディフェンス面ではイタリア代表との2試合は、タックル成功率が80%前後と満足する数字ではなかったようだが、ジョージア代表戦では90%ほどに改善されて、前に激しく出る組織ディフェンスも機能し、ジョセフHCも「完封勝利できたことは、(この6月の)チームにとっては大きなハイライトです」と胸を張った。

 もちろん課題がなかったわけではない。敗戦したイタリア代表との2試合目は、フィジカル的に相手にプレッシャーを受けて相手に主導権を渡してしまい、2点差に追い上げた後半残り10分のところでペナルティーを2度犯してしまい、PGを2回決められたことが趨勢を決めた。

 ジョセフHCは敗戦したものの「イタリア代表との2戦目は、(日本代表は)フィジカルチームではないが、どう戦うか学ぶことが非常に多かった。どれだけフィジカルになれるか、フィジカルの中でどんなスキルを発揮できるのか、今後も秋に向けてやっていきたい」と振り返った。

 また指揮官は「ソフトモーメント(集中力が欠けてしまう瞬間)は試合中、必ず出てきてしまうものだが、そういった瞬間をなくしていかないと11月の強豪との対戦やW杯でアイルランド代表やスコットランド代表に勝つことができない」と選手たちに注文をつけることを忘れなかった。

 いずれにせよ、ジョセフHCが「今回のテストマッチは自信が育まれたと思います」と総括したように、課題はありつつも2019年のW杯に向けて手応えを得ることができた3戦になった。

 日本代表は11月3日にホームで世界ランキング1位のニュージーランド代表と対戦し、17日にアウェイで日本代表の前ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏が指揮する同4位のイングランド代表と激突することが決まっている。

 ジェイミー・ジャパンは2019年W杯本番まで残り試合は、どんなに多くても15試合ほどしかないだろう。この6月のテストマッチシリーズで進化した部分をさらに伸ばしつつ課題を修正し、11月、W杯前哨戦となる世界的強豪の2チームとの対戦に挑んでほしい。

記事提供者:斉藤健仁

試合情報

  • 2018.2.24(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 25 - 32 ブランビーズ
    NO SIDE
  • 2018.3.3(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 17 - 37 レベルズ
    NO SIDE
  • 2018.3.10(土)
    スーパーラグビー2018
    シャークス 50 - 22 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.3.18(日)
    スーパーラグビー2018
    ライオンズ 40 - 38 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.3.24(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 10 - 61 チーフス
    NO SIDE
  • 2018.4.7(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 29 - 50 ワラターズ
    NO SIDE
  • 2018.4.14(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 10 - 24 ブルーズ
    NO SIDE
  • 2018.4.21(土)
    スーパーラグビー2018
    クルセイダーズ 33 - 11 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.4.27(金)
    スーパーラグビー2018
    ハリケーンズ 43 - 15 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.5.12(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 63 - 28 レッズ
    NO SIDE
  • 2018.5.19(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 26 - 23 ストーマーズ
    NO SIDE
  • 2018.5.25(金)
    スーパーラグビー2018
    レベルズ 40 - 13 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.6.3(日)
    スーパーラグビー2018
    ブランビーズ 41 - 31 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.6.30(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 42 - 37 ブルズ
    NO SIDE
  • 2018.7.7(土)
    スーパーラグビー2018
    ワラターズ 77 - 25 サンウルブズ
    NO SIDE
  • 2018.7.13(金)
    スーパーラグビー2018
    レッズ 48 - 27 サンウルブズ
    NO SIDE

動画ランキング

記事ランキング