日本代表、連勝ならず。終盤3トライを挙げるもイタリアに22-25で敗れる

スーパーラグビー2018 - 日本代表、連勝ならず。終盤3トライを挙げるもイタリアに22-25で敗れる

後半25分、2試合連続のトライを決めるNO8マフィ。(撮影/斉藤健仁)

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先週6月9日(土)、大分・大分銀行ドームでイタリア代表(世界ランキング14位)に34-17というダブルスコアで勝利したラグビー日本代表(同11位)。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)体制になって初めてティア1(世界強豪10チーム )の一角から勝利を奪い、それから1週間を経た16日(土)、今度は神戸・ノエビアスタジアム神戸に場所を移してイタリアとの2戦目を迎えた。

日本代表は1戦目で4トライ、しかもいずれも入念な準備に基づく意図したアタックからトライを奪い快勝した。2014年の対イタリア初勝利の3点差(26-23)から4年を経て17点差と大きくステップアップを遂げて、日本代表としてティア1から初の連勝を狙う試合となった。

なお、イタリアとの第2試合目がノエビアスタジアム神戸での初のテストマッチとなり、20276人ものファンが詰めかけた。

メンバーは1戦目からほぼ固定。NO8のアマナキ・レレィ・マフィがリザーブに下がり、先発のNO8は姫野和樹に。FLには徳永祥尭が入った。その他の変更はなく、キャプテンのFLリーチ マイケル、HO堀江翔太、SH田中史朗、SO田村優、WTB福岡堅樹、FB松島幸太朗といった十二分に経験と実績のあるメンバーが快勝した1戦目から変わらずチームの軸となった。なお、SO田村はこの試合で50キャップ目、FB松島は30キャップ目という節目のテストマッチとなった。

一方、連敗は避けたいイタリアも1戦目からメンバーを変えたものの、FBで活躍したマッテーオ・ミノッツィがWTBにコンバートされるなど、こちらもわずかな変更にとどまった。キャプテンのHOレオナルド・ギラルディーニをはじめSOトンマーゾ・アラン、CTBミケーレ・カンパニャーロ、WTBトンマーゾ・ベンヴェヌーティらを並べるなど、連敗阻止に向け国際経験豊かなメンバーを据え置いた。

イタリアのキックオフで始まった前半わずか4分、日本代表LOアニセ サムエラのタックルが危険なプレーとされシンビン(10分間の一時的退出)に。

数的不利となったこの10分の間、日本代表は粘りのディフェンスで失点を許さなかったものの試合はイタリアペースとなる。日本代表は14分のPGをSO田村が決められず得点機を逃すなど、1戦目のように主導権を握ることができない。

すると前半19分、イタリアはFBジェイデン・ヘイワードのカウンターアタックをきっかけにWTBベンヴェヌーティが持ち前のランで先制トライを挙げる。0-7とされた直後の26分には、またもイタリアが得意のラインアウトモールを起点にHOギラルディーニがトライ。0-12とリードを広げられる。

反撃したい日本代表はイタリアボールのスクラムでペナルティーを獲得し、SO田村が今度はPGをしっかり決めて3-12とようやく初得点を挙げ、このスコアのまま前半を終えた。

後半キックオフから日本代表はFL徳永に代わりNO8マフィが入り、SHは田中から流大に代わるなどギアチェンジを試みた。しかし前半と同じくペースをつかむことはできず、逆に後半4分、イタリアFLジェイク・ポッレードリに突破されトライを決められ3-19。8分にもあわやトライというイタリアのプレーがあったが、これはTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の末にノートライとなるが、依然としてイタリアのペースで試合が進んでいく。

16点差という状況から少しでも得点を重ねていきたい日本代表は、ようやく決定的なチャンスを作り出す。後半20分、敵陣深くでモールを押し込んだ後、NO8マフィが突破。ラックからSH流、そして田村に代わって入っていたSO松田へとパスがつながり、ラストパスを受けたCTBウィリアム・トゥポウが中央に飛び込んでトライ。ようやく初トライを挙げた日本代表が10-19と9点差に詰め寄る。

さらに後半25分、日本代表は再び敵陣でのアタックからFB松島が相手ディフェンスを引きつけつつCTBラファエレ ティモシーにパス。外から走り込んだFLリーチにパスが渡り、最後はFLリーチからパスを受けたNO8マフィが相手ディフェンスを跳ね飛ばしてトライ。17-19とついに2点差に迫る。

この勢いのまま逆転を目指した日本代表だが、自陣でペナルティーを重ねて後半32分、34分とイタリアのSOアランに続けてPGを決められてしまい、17-25と8点差に広げられる。

残り5分、逆転のためには何としてもトライが欲しい日本代表は試合終了間際の後半40分、FB松島が相手ディフェンスの崩れた箇所を見逃さず、トライを決める。SO松田のゴールは不成功に終わったものの22-25と3点差に迫る。

「ジャパン! ジャパン!」コールの中、ラストプレーで日本代表は逆転を目指して攻め続けたものの反撃及ばず、そのままイタリアに敗れた。対ティア1初の連勝はならず、イタリアとの通算成績は2勝6敗となった。

試合後、勝利したイタリアのコナー・オシェイHCは試合をこのように振り返った。

「素晴らしいテストマッチだった。選手たちの反応の速さも素晴らしく、最初の60分間のラグビーのクオリティーも卓越していた。思っていた以上のことができた。我々は長期的な目標を立てているが、それが遂行できたのが今日の試合だった」

またイタリアのキャプテン、HOギラルディーニはチームとしての成長を喜びつつ、

「日本代表はチームとして非常に成長している。セットピースもその要素の一つで、彼らはスクラムをハードに組んでくるし、正確でもある。シックス・ネーションズにもスクラムの素晴らしいチームがひしめいているが、感覚としては日本も同じレベルだと思っている。それだけ日本のラグビーの成長を感じている」

と日本代表のレベルアップも同時に実感していると明かした。

一方、敗れた日本代表のジェイミー・ジョセフHCは、

「率直に言って非常に残念な結果だが、学ぶことの多かった試合だった。タフな試合でイタリア代表が前半からたたみかける攻撃をしてきたことは褒め称えたい。いつもの日本代表のように規律が守れなかった日本代表のコーチとしてフォーカスして改善点をしっかりと見極めなければいけない」

と厳しい表情で今後の改善を誓った。

また、日本代表キャプテンのFLリーチは、リーダーグループの一員として、

「今週はメンタルにフォーカスしていた。イタリアに対して、相手のいいアタックをしっかり止めたと思うが、その中で点数を失って流れが悪くなったときに、リーダー陣がどう対応するか、どう立て直すかがすごく勉強になった」

と、この試合から大きな教訓を得たとコメントした。

イタリアとの2連戦を1勝1敗で終えた日本代表は来週6月23日(土)、ジョージア代表と愛知・豊田スタジアムで対戦する。スクラムは世界最強レベルで、フィジカルでもトップクラスのジョージアに対しどのような試合運びができるか。このイタリア戦の反省も踏まえ、今ウィンドウマンス(テストマッチ期間の6月)のラストマッチで日本代表としてのさらなる成長を見せたいところだ。

◇平尾誠二さんメモリアルマッチで後輩たちが奮闘!

ノエビアスタジアム神戸、そして神戸でも初開催となったテストマッチは、かつて日本代表と神戸製鋼で活躍した故・平尾誠二氏のメモリアルマッチとして、在りし日の雄姿を写真で展示するなど日本のレジェンドを偲ぶ試合となった。

1999年のラグビーワールドカップで「平尾ジャパン」の一員として活躍したジョセフHCは、

「平尾さんは日本人だけでなく外国人からも非常にリスペクトされていたという認識で、非常に印象に残っています。1995年(のワールドカップ)は彼と対戦することもできました。神戸に来てプレーできることはいつも嬉しく思います。けれども彼のようなラグビーで偉大な存在がいなくなってしまったことは非常に悲しくも思います」

と、平尾氏への思いを語った。

また、伏見工業(現・京都工学院)高校の後輩にあたるSH田中は、大先輩である平尾氏について、

「平尾さんとは1~2回しか話したことはないですが、すごい人で、日本のラグビーをここまで成長させてくれて、日本ラグビーのことを考えてくれた方だと聞いています」

とあらためて敬意を示した。また、陶化中学校と伏見工業高校の後輩にあたるSO松田は、

「出場させていただけて嬉しかった。最後に勝利したかったが、できず残念だった」

と悔しさをあらわにした。

神戸でのメモリアルマッチで弔い星を挙げられなかった日本代表。6月23日(土)のジョージア戦では何としても勝利を報告したい、そんな思いだったはずだ。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

試合情報

  • 2018.2.24(土)
    スーパーラグビー2018
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  • 2018.3.3(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 17 - 37 レベルズ
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  • 2018.3.10(土)
    スーパーラグビー2018
    シャークス 50 - 22 サンウルブズ
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  • 2018.3.18(日)
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    ライオンズ 40 - 38 サンウルブズ
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  • 2018.3.24(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 10 - 61 チーフス
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  • 2018.4.7(土)
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    サンウルブズ 29 - 50 ワラターズ
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  • 2018.4.14(土)
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    サンウルブズ 10 - 24 ブルーズ
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  • 2018.4.21(土)
    スーパーラグビー2018
    クルセイダーズ 33 - 11 サンウルブズ
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  • 2018.4.27(金)
    スーパーラグビー2018
    ハリケーンズ 43 - 15 サンウルブズ
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  • 2018.5.12(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 63 - 28 レッズ
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  • 2018.5.19(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 26 - 23 ストーマーズ
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  • 2018.5.25(金)
    スーパーラグビー2018
    レベルズ 40 - 13 サンウルブズ
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  • 2018.6.3(日)
    スーパーラグビー2018
    ブランビーズ 41 - 31 サンウルブズ
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  • 2018.6.30(土)
    スーパーラグビー2018
    サンウルブズ 42 - 37 ブルズ
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  • 2018.7.7(土)
    スーパーラグビー2018
    ワラターズ 77 - 25 サンウルブズ
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  • 2018.7.13(金)
    スーパーラグビー2018
    レッズ 48 - 27 サンウルブズ
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