日本代表、フィジーに38−25で敗れ欧州遠征有終の美を飾れず

スーパーラグビー2018 - 日本代表、フィジーに38−25で敗れ欧州遠征有終の美を飾れず

2トライを決めた日本代表FB松島幸太朗。出色の活躍だった(写真/齋藤龍太郎)

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11月26日(土)日本時間23時10分、ラグビー日本代表の欧州遠征最終戦となるフィジー代表戦が、フランス・ヴァンヌのスタッド・ドゥ・ラ・ラビーヌでキックオフを迎えた。

先週19日は日本代表がウェールズと、フィジーがイングランドと対戦しいずれも敗れ、21日現在の世界ランキングは日本代表11位、フィジー10位という位置関係にあり、日本代表にとってはフィジーは長年のライバルチームの一つである。

今月4試合目となった日本代表の先発はウェールズ戦から変更なく、HO堀江翔太(共同キャプテン)、NO8アマナキ・レレイ・マフィ、SH田中史朗、SO田村優、CTB立川理道(共同キャプテン)、FB松島幸太朗といった経験豊富なメンバーを中軸に据えるなど「現時点でベストの15人」(日本代表ジェイミー・ジョセフHC)が並んだ(ただしゲームキャプテンは前の2試合を務めた立川から堀江に変更)。またウェールズ戦で1トライずつ決めた山田章仁、福岡堅樹の両WTBの走りにも注目が集まった。

リザーブには追加招集されたPR東恩納寛太が今秋初めて23人に名を連ねたほか、ウェールズ戦では2名だったBKのリザーブをSH内田啓介、CTBアマナキ・ロトアヘア、WTBカーン・ヘスケスの3名に増員。ランとオフロードパスを得意とするフィジーに備えた。

対するフィジーは、キャプテンのNO8アカプシ・ンゲラを中心に、リオデジャネイロ五輪の金メダリストであるLOレオネ・ナカラワ、そしてトップリーグ(NEC)でも活躍しスーパーラグビーのトライ王経験者でもあるWTBネマニ・ナドロ、などといった強力な布陣だった。ナドロをはじめフランスで活躍している選手を配置し、得意とするセットピースと持ち味のアンストラクチャー(崩れた局面)からのアタックで日本に応戦する構えを見せた。

前半キックオフ直後は互いにボールを保持しつつ、キックの応酬で双方がチャンスをうかがう展開となる。日本はフィジーのパワフルなランを組織で止め途中まではアタックを封じていたが、15分に自陣からのキックをチャージされて、こぼれたボールををフィジーCTBアルバート・ヴリヴリにインゴールまで持ち込まれトライ。7−0とフィジーに先制を許す。

19分、フィジーFLペゼリ・ヤトがシンビン(10分間の一時的退場)となり、20分には、そのペナルティーで得たPGを日本代表SO田村が決めるも、直後の22分にWTBメツイセラ・タレブラに俊足を生かしてトライを奪われ、日本は14−3とリードを広げられてしまう。

32分、フィジーFLヤトが危険なタックルで2枚目のイエローカードとなり退場となる。そのペナルティーでSO田村が再びPGで3点を追加した(14−6)。

数的優位を生かして戦いたい日本代表だったが、直後の35分にCTBレヴァニ・ボティアにタックルを外されトライを許す。結局、21−6とフィジーにリードされて前半を終えた。

勝つためにこれ以上点差を広げられたくない日本が猛攻を見せる。だが、後半3分、パスミスからCTBレヴァニ・ボティアに再びトライを決められて28−6、11分にはスクラムを起点にWTBナドロがさらにトライを許し35−6とし、フィジーに一気に突き離されてしまった。4トライ4ゴールでも追いつけない29点差は、日本代表にとってこの展開においては極めて苦しいビハインドとなった。

しかしここから日本代表の反撃が始まる。後半18分、フィジーのペナルティーからスクラムを選択した日本代表は、パスを受けたFB松島がチーム初トライを決め、35−13と点差を縮める。

さらに24分、敵陣でのラックを連続してSH田中、SO田村と素早くボールがつながり、最後はFLマルジーン・イラウアがトライ。これで35−18とし、さらにフィジーに詰め寄った。

その後もチャンスを作りながらなかなか得点につながらない展開が続いたが、試合終了間際の後半38分、クイックリスタートから再びFB松島がトライを決めて、ゴールも決まり35−25と10点差に迫った。

だが、81分にフィジーのPG成功と同時にフルタイムとなり、最終スコアはフィジーが38−25と勝利した。日本代表は後半は松島の2トライを含む3つのトライを畳み掛けたものの、前半から後半序盤にかけての失点が響いた。日本代表はウェールズ戦に続いて連敗を喫し、欧州遠征最終戦を勝利で終えることはできなかった。

試合後、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは、

「前半疲れもあったのか上手く入れなかった。後半が良かっただけに残念だが、フィジーは先週から上手く修正してきた。だが我々はまだ始まったばかりだ。4週間で良い経験ができた。もう少し時間をかけていけば成長していけるだろう」

と悔しさをあらわにしつつ、わずか1ヶ月の間の大きな成長に確かな手応えを感じていた。

2トライを決めた日本代表FB松島は、

「フィジーのプレッシャーがきつかったのと、自分たちの簡単なミスが多かった。しかし、もっとプレーしていって、準備していければもっともっと自信を持ってやっていけるようになるのではないか。タックルのスキルももっとつけていきたい」

とさらなる成長と勝利を誓った。

勝ったフィジーのジョン・マッキーHCは、

「とても満足している。私たちがゲームを支配していた時間が多かった。レッドカードはファイトの表れだと思う。(来年)6月に向けてもっとパフォーマンスを向上していきたい」

とコメント。

キャプテンのNO8ンゲラは、

「日本代表は強いチームだが、我々は若い選手も多いので、頭を上げていい終わりを迎えるようにした。イングランド戦であのような負け(●15−58)を喫したが、自分たちを信じてやろうと思っていた。我々はヨーロッパでプレーしている選手が多いので、もう少し一緒にいる時間が増えればもっと強くなるはずだ」

と今後に向けての意気込みを見せた。

11月のアルゼンチン戦と欧州遠征3連戦、計4試合を終えた日本代表。結果は1勝3敗だったが、わずかな準備期間でウェールズに健闘するなど確かな成長を見せた。来年以降もジェイミージャパンはさらなる成長曲線を見せることになるだろう。そんな期待を持たせてくれる1ヶ月だった。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)

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