日本代表、W杯開幕戦の相手・ロシアに苦戦するも32-27で逆転勝利し今年を締めくくる!

ラグビー日本代表 - 日本代表、W杯開幕戦の相手・ロシアに苦戦するも32-27で逆転勝利し今年を締めくくる!

後半32分、決勝点となった勝ち越しトライを決める日本代表キャプテンのFLリーチ マイケル(撮影/齋藤龍太郎)

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欧州遠征中のラグビー日本代表は、11月17日(土)、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)率いる強豪イングランドに対して、敵地トゥイッケナム・スタジアムで試合途中まで健闘し(●15−35)、確かな進歩を見せた。

それから1週間後の24日(土)、日本代表は今秋のシリーズを締めくくるテストマッチ最終戦、ロシアとの一戦をキングズホルム・スタジアム(イングランド・グロスター)で行った。

ロシアは来年のラグビーワールドカップ日本大会の開幕戦(2019年9月20日・東京スタジアム)における日本代表の対戦相手。目標である決勝トーナメント進出に向けて必勝となるオープニングマッチ、その大事な“前哨戦”で、日本代表はロシアを圧倒すべく試合に臨んだ。

その日本代表は、メンバーをイングランド戦からある程度固定しつつ、一部を入れ替えた。まずはSHに今秋初出場の茂野海人、そしてSOにはこれまで主にリザーブだった松田力也が入り、ハーフ団を刷新。WTBにはロトアヘア アマナキ 大洋が入り、SH茂野と同じく今秋初出場。リザーブには、出場すればこの試合が2キャップ目となるHO堀越康介、そして出場すれば初キャップとなるCTB梶村祐介が入るなど、若手選手の格好のアピールの場にもなった。

一方のロシアは、国として唯一出場している2011年のラグビーワールドカップを経験しているキャプテンのFBヴァシリー・アルテミエフ、SOユーリ・クシナリョフといった経験豊富なメンバーに加え、プレミアシップ(イングランドのプロリーグ)のセール・シャークスに所属するLOアンドレイ・オストリコフ、そして2013年の日本代表戦でも1トライを挙げたセブンズ代表でもあるCTBウラジミール・オストロウシコといった実力者がメンバーに並んだ。

前半、先手を取ったのはロシアだった。日本代表がペナルティーを重ねたことで、前半4分、7分、16分と立て続けにロシアSOクシナリョフにPGを決められ0-9とリードを許す。さらに21分にはCTBオストロウシコにインターセプトからトライを決められ、0-16とさらにリードを広げられてしまう。

苦しい展開だった日本代表は前半23分、SO松田がPGを決めて3-16とようやくチーム初得点を挙げる。そして31分、敵陣でのロシアのペナルティーから日本代表キャプテンのFLリーチ マイケルが自らタップキックから仕掛け、インゴール右中間へ飛び込みトライ。10-16と点差を縮める。

しかし日本代表はさらにペナルティーを重ね、35分にはFL西川征克が不当なプレーでシンビン(10分間の一時的退場)となる。37分、38分とロシアにPGを決められ、10-22と12点のビハインドを背負ってハーフタイムを迎えた。

後半、反撃に転じたい日本代表はさっそくチャンスを作り出す。後半3分、自陣でのディフェンスでWTB福岡堅樹のタックルからターンオーバーに成功。そこからBKがフェーズを重ね大きく前進すると、4分、敵陣ゴール前のラックからSH茂野、SO松田、CTBラファエレ ティモシーとパスが渡り、左大外でラストパスを受けたWTB福岡がスピードを活かしてトライを決める。SO松田のゴールも成功し日本代表は17-22と5点差に詰め寄る。

さらに15分、日本代表はロシアのキックを自陣でWTB福岡が処理し、その後の自陣10メートルライン付近でのラックからNO8ツイ ヘンドリックが快走。相手のタックルをかわしつつ約60メートルをひとりで走り切り、トライ。24-22と逆転に成功する。

しかし19分、ロシアHOスタニスラフ・セリスキーにキックパスからトライを奪われ、24-27と再逆転されてしまう。負けられない日本代表は28分、途中出場のSO田村優がPGを決めて27-27と同点に追いつき、そこから逆転の機会を狙う。

32分、敵陣深い位置でアタックを仕掛け続けた日本代表は、SO田村がピッチ中央から左前方に向けてグラバーキックを放ち、キャッチしたFLリーチがインゴール左隅にトライ。32-27とようやく勝ち越しに成功する。その後はロシアにチャンスを与えなかった日本代表が、32-27で逆転勝利を収めた。

試合後、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは試合をこのように評した。

「ロシアは非常にいいプレーをしていて、フィジカルな面でもいろんなことを彼らから学べました。我々は前半ペナルティーを多く犯してしまったが、後半挽回できました。そしてなんとか勝利まで結びつけることができ誇りに思います。後半改善したところはボールキャリーの部分です。

これがまさにテストマッチでしたし、ワールドカップでも彼らと対戦するので非常に有意義な試合になりました。6週間のかなり長いツアーになりましたが、宮崎から始まっていろいろ学ぶこともあり、試合の結果として満足している部分もありますが課題も出たと思います」

また、2トライと殊勲の活躍を見せたキャプテンのFLリーチはこのように振り返った。

「ロシア(の力)は予想通りでしたが、自分たちが(特に前半)なぜいい展開ができなかったかというと、ペナルティーと簡単なミスが原因でした。それと、(ボールを)いきなり外に振りたがったのもよくなかったです。ペナルティーをなくすこと、細かいプレーを丁寧にやること、3、4フェーズでなく5、6フェーズ以上ハードワークしてから外へ展開し勝負をかけようとしたこと、みんなにそのような話をしてからだいぶよくなりました」

スコアの上でも、パフォーマンスの面でもロシアを圧倒することはできず、日本代表は課題を残しながらも、何とか白星で今年のテストマッチを締めくくった。ちょうど300日後のラグビーワールドカップ開幕戦でロシアと再戦する日本代表選手たちは、トップリーグの残りのシーズンや来年のスーパーラグビーを経て、本番に向けての準備の色合いが強まる来年のテストマッチで再集結する。

◇高3での日本代表合宿参加から5年、CTB梶村が念願の初キャップ! 

後半33分、23歳の若きCTB梶村祐介が途中出場し、記念すべき1キャップ目を獲得した。

2013年9月の報徳学園高3年時、当時のエディー・ジャパンに練習選手として合宿に初参加。それから5年、大学、トップリーグでの経験を経て大きく成長した逸材が、ついに桜のジャージーを着て一歩目を踏み出した。

梶村は、初キャップに対する喜びを語った。

「素直に嬉しいです。国を背負って戦えるチャンスは数多くないので、そういうチャンスをいただけて嬉しく思っています。とにかく自分の強みを発揮したいと思っていました。とにかくチャンスがあれば強みを出していこうと決めていました。そのチャンスはなかなかなかったですが、数回のボールキャリーをした感覚は悪くなかったと思います。

これからどんどん代表として試合に出ないといけないと思うので、いろんなところで経験積んで日本に帰っても頑張っていきたいと思います」

試合の展開上、出場時間を長く与えることができなかったものの、ジョセフHCはその活躍を高く評価した。

「接戦だったのでタフな環境で若い選手を使う状況になかなかならなかったですが、HO堀越、CTB梶村がいいパフォーマンス、ポテンシャルの高さを見せてくれました。可能性が楽しみです」

指揮官の期待に応え続けていくことで、来年のワールドカップ出場、そしてそれ以降の代表の座もはっきりと見えてくるはずだ。こうした次代を担う若い選手の台頭に今後も期待したい。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)