日本代表、ジョージアに完封で28-0と快勝!6月のテストマッチを2勝1敗で終える

ラグビー日本代表 - 日本代表、ジョージアに完封で28-0と快勝!6月のテストマッチを2勝1敗で終える

後半9分、トライを挙げて喜ぶ日本代表フィフティーン(撮影:齋藤龍太郎)

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イタリア代表との対戦を1勝1敗で終え、確かな成果だけでなく課題も残したラグビー日本代表(世界ランキング11位)。6月23日(土)の今ウィンドウマンス(テストマッチ期間)最終戦は、ランキングではほぼ互角のジョージア代表(同12位)との対戦となった。

試合が行われた、2019年のラグビーワールドカップの会場のひとつである豊田スタジアムには、悪天候にもかかわらず14776人ものラグビーファンが詰めかけた。

ジョージアには通算4勝1敗と勝ち越しており、直近の2016年の対戦でもアウェーで逆転勝利を収めている日本代表は、イタリア戦から先発メンバーを7人変更。

LO真壁真弥、FL布巻峻介、CTB立川理道、WTB山田章仁、FB野口竜司が今年、日本代表初先発を果たした。そして世界でも最強クラスのスクラムを誇るジョージアに対し、PR稲垣啓太、HO堀江翔太、PR具智元のフロントロー、そしてキャプテンのFLリーチ マイケル、NO8アマナキ・レレィ・マフィといった強力FWが出陣。また、イタリア戦ではリザーブだったSH流大が先発しSO田村優とハーフ団を組んだ。

なお、FL西川征克がリザーブに入り、初キャップとなる出場の瞬間をベンチで待ち構えた。リザーブはその西川を含めFW6名、BK2名というFWに強みのあるジョージアを考慮した構成になった。

メンバー発表会見で、日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)はこのように語った。

「FB松島(幸太朗)とLOヘル(ウヴェ)の脳しんとうにより変えざるを得なかったこともあるが、フレッシュな、新しい風を吹かせてくれる選手を入れる機会を設けることができた。(リザーブにFWを6名置いたことについては)ジョージアという伝統的にフィジカルが強くて体格が大きいチームに対してセットプレーをターゲットにするからということもあるが、テストマッチ最終戦ということで、FWの補強が必要と考えた」

そして、指揮官は「今回の試合は『決戦』と位置付けている」と一言加えて、勝利への意欲を強く示した。

一方、パシフィック・ネーションズ・カップに参戦していたジョージアは、23選手中13名がW杯経験者という布陣となった。かつてチームの支柱だったLOマムカ・ゴルゴゼが代表引退するなど世代交代が進んだ一方で、W杯に2003年大会から4大会連続で出場中のFBメラブ・クヴィリカシュヴィリ、3大会出場のCTBダヴィド・カチャラヴァ、そして2大会に出場し現在サンウルブズでも活躍中のHOジャバ・ブレグヴァゼといった実績のあるメンバーに名を連ねた。そしてキャプテンのLOギオルギ・ネムサゼを中心とした強力FW陣でアウェーでの勝利を狙った。

試合は前半4分、日本代表SO田村がPGを決めて3-0と先制する。しかし16分、19分にも相手ペナルティを得たもののいずれもPGを外してしまい、前半32分のPG成功でようやく追加点、6-0とする。

前半35分にはジョージアFBクヴィリカシュヴィリ、39分には日本代表SO田村がそれぞれPGを外すと、前半44分に日本代表が得たペナルティキックではSO田村に代わりFB野口がキッカーとなり成功。9-0と日本代表リードで前半終了を終えた。

FL西川がピッチに立ち初キャップを獲得した後半は、互いにトライを狙う展開から9分、相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけて、相手選手のノックオンを誘ってターンオーバー。そのボールを日本代表がフェーズを重ね、直前に入ったばかりのLOヴィンピー・ファンデルヴァルトが豪快にラックサイドを突いてトライ。この試合の初トライがようやく生まれ、16-0と日本代表がリードを広げる。

すると直後の後半12分、リズムをつかんだ日本代表はWTBレメキ ロマノ ラヴァが相手ディフェンスに囲まれながらもステップでかわしきり、インゴールへ飛び込んで2トライ目を決める。2016年の対戦時に続くトライで、スコアは23-0となる。

さらに後半27分、SO田村のキックをWTB山田を追走し、途中出場のNO8姫野がインゴールにボールを置き、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の末にトライが認められ、日本代表が28-0とさらにリードを広げる。

一矢報いたいジョージアだったが、得意のスクラムも日本代表に互角に組まれ、強みが出せないままノーサイドを迎える。28-0と、日本代表が完封で勝利を収めた。

日本代表の完封勝利は昨年5月13日の香港代表戦(16-0)以来となった。

試合後、日本代表のジョセフHCは勝利の喜びをこう表現した。

「まずこのチーム、6月の健闘を見て誇らしく思う。昨季からの成長が著しく、トップリーグで戦った選手たちが、ここまでの強豪にチャレンジできるまでに成長した。フランス、トンガ、イタリア、ジョージアとこのような試合ができた。

スクラムでも相手を劣勢に追い込んだり、セットピースでプレッシャーをかけられた。選手たちの努力を褒め称えたいが、先はまだまだ長い」

また、キャプテンのFLリーチ マイケルは、

「ジョージア相手にずっとプレッシャーかけ続けること(ができたの)が今日の勝利の原因。これが勝つラグビー。こういう相手にはこうやって勝たなければいけない。僕の中では3回目のジョージア(との対戦)で、本当に日本のチームは成長している。サンウルブズのコンタクトプレーが毎週できて、みんな1人ひとりの意識が上がって、長谷川慎スクラムコーチのスクラムとモールの熱もすごくみんなが感じている」

とチームの成長をかみしめていた。

また、ジョージアのミルトン・ヘイグHCはこのようにコメントした。

「まず、日本代表におめでとうと言いたい。我々は自分たちの形を最高の形を出せなかった。かつ難しい試合だった。前半、ペナルティの数が多かった。後半、修正して、ゲームをコントロールしたかったが、後半、十分な時間がなかった。その背景は日本代表のプレッシャーだと思う」

また、キャプテンのLOネムサゼは、

「W杯を前にいい教訓だった。このスタジアムで戦うにあたって何をすべきかわかった」

と、来年のワールドカップ初戦でウェールズと対戦する豊田スタジアムで戦えたことを手土産にさらなる成長を誓った。

6月のテストマッチを2勝1敗(対イタリア1勝1敗、対ジョージア1勝)で終えた日本代表は、11月にニュージーランド代表、イングランド代表と対戦する予定だ。より格上の相手との連戦に向けて、そして来年のラグビーワールドカップ日本大会に向けて、ジョセフ・ジャパンはさらなる進化を遂げていくはずだ。

◇愛知県出身のNO8姫野和樹がトライで故郷に錦を飾る!

リザーブスタートとなったNO8姫野は、地元・愛知県でのテストマッチでダメ押しとなるトライを挙げて、個人的にも故郷に錦を飾る勝利となった。ピッチ、に入る前からスタンドからは「姫野コール」が巻き起こり、多くのファンが出場を待ち詫びた。

「(姫野コールは)もちろん聞こえました。地元なんだなというのを感じましたし、背中を後押ししてくれる声援に、『変なプレーはできないな』と思いました。気持ちが入って(試合に)臨めました。トライは“ごっつぁん”でしたが(笑)、TMOになりましたけど自分ではトライだとは思っていました」

その一方で、地元で先発出場したかったと正直な心境も語った。

「もちろんスタート(先発)でいきたかったです。ただ、ジェイミー(・ジョセフHC)の中でもいろいろメンバーの構想もあると思うし、そこはしっかり理解しています」

だが、リザーブとして役割を全うしたことも確かであり、

「キッキングゲームでなかなかトライをとる場面が少なかったので、自分がアタックの面で前に出ていいリズムを作れたらと思っていました」

という本人の弁のとおりの展開になったと言っていいだろう。

昨年11月の代表デビュー以来、目覚ましい活躍を見せている姫野。この6月の自己採点を「50~60点」としていることからも、さらなる成長が期待できそうだ。

記事提供者:齋藤龍太郎(楕円銀河)